若くてきれいな女性タレントを使ったCMや特許取得の新技術を大々的にアピールした広告など育毛や発毛に関するCMや広告は、あたかも髪の毛が絶対に生えてくる！といわんばかりの内容のものが多く、テレビや雑誌、新聞などで目にしない日はないと言っても過言ではありません。
でも私の育毛研究では、薄毛や脱毛には個人差があり、これさえやっていれば生えてくるといった夢のような方法はありません。つまり薄毛や脱毛で悩む人たちは、症状や性別、年齢、食生活、環境など複合的原因が色々と重なっているため、一人ひとりの髪の状態に合った方法でケアをしていかなければならないのです。
ですから脱毛原因を正しく把握する事が、まず最初に行う事が一番大切です。最近の脱毛原因は先にも書きましたように、複合的になってきています。自信満々に絶対に生えるとか、発毛を保証するとか、生えなければお金を返すなどといって広告を出している事を見ますとこのCMは嘘といってもよいでしょう。それは本文を詳しく読んで頂ければご理解できま す。食生活の改善は本人の努力も必要ですし、環境や仕事、人間関係でのストレスなどは、それが脱毛の原因の一部となっていてもすぐに問題を一人では解決できるものではありません。ですから、うちの発毛サロンに来ればそれだけで必ず生えるという事こそ既に無理があるのです。
製薬会社が発売するものは医薬品の発毛剤として薬局などで売られています。化粧品会社が発売するものは医薬部外品の育毛剤として一般の化粧品店でも販売されています。しかし、脱毛原因を追求していきますと一人ひとりその原因や状態が違っています。誰もが脱毛や薄毛になれば、こうした発毛剤や育毛剤があればと願います。私もその事を否定する気持ちは毛頭ありません。しかし脱毛原因を正しく判断しますと、誰にも効果のある発毛剤や育毛剤は今のところありません。原因が複合的や多岐に渡るのなら治療や育毛も一人ひとりに合わせたものが必要となります。その正しい育毛理論を知って下さい。
育毛剤の成分は、ほとんどがアルコール系の血管拡張剤でこの他に殺菌剤と香料、少量の栄養成分が含まれているだけなのです。血管を拡張する成分なら血液の流れが良くなって育毛効果があるかも知れない、と期待されるかも知れません。しかし逆にそれらを使用した為に頭皮に吸収されなかった成分が毛穴に詰まって、毛根にダメージを与えてしまうケースも少なくないのです。男性を中心とする育毛サロンの多くは、ほとんどの薄毛や脱毛を脂漏性脱毛症と考え、頭皮の皮脂を取ってしまえばいい、という安易な考え方にもとずいた育毛法を行っています。しかし、頭皮の皮脂はとても大切なものであるのです。皮脂は角質とともに皮膚を保護する働きをもっているからです。
ところが多くの育毛サロンでは怪しげな機械や強アルカリ、アルコールなどで皮脂を必要以上に除去する為、大切な角質や皮膚組織に大きなダメージを与えてしまっているのです。最近では頭皮の皮脂を取りすぎてしまった為、カユミや湿疹、炎症を起こすというトラブルが発生している育毛サロンも多いようです。またイオン導入とか称して、電気を使用して頭皮へ育毛剤を入れようとし、電気アレルギーや金属アレルギー、アルコールアレルギーなどの反応を起こしてしまったり、オゾンを使った為に強酸化作用で皮膚にダメージを与えてしまったり、スチ―ミングで皮脂を落とそうとして逆に皮脂を過剰に出させてしまったりという事もあるようです。また高周波、低周波を育毛技術として取り入れている育毛サロンもありますが、脳へのダメージを考えると恐ろしい気がします。これらを使用する育毛理論は果たして有効なものなのでしょうか？
プロペシアの正式名称は、男性型脱毛症（AGA）用薬「プロペシア錠」フィナステリド（名称）と言います。もともとは万有製薬の親会社、米国のメルク社が前立腺肥大症の治療用として、1992年からアメリカで販売していた。その後1997年にAGA治療薬として米食品医薬品局（FDA）に承認され、現在では世界60ヶ国以上で使われている。
男性ホルモンの一種ジヒドロステロン（DHT）が脱毛に関係しているので、プロペシアはこのDHTを作る酵素の働きを抑えて男性型脱毛症を治そうとするものです。
ですから「プロペシア」はAGA以外のタイプの人には効果が期待できません。
すなわち、女性の薄毛や円形脱毛症、薬剤性脱毛症、脂漏性脱毛症、粃糠性脱毛症、ダイエットによる脱毛症、甲状腺機能障害による脱毛症、産後脱毛、真菌による脱毛症等には一切の効果は期待できません。
副作用の発現率は5％、うち2.9％は勃起機能不全（インポンテツ）、残り2.1％は胃の不快感
ミノキシジルは血圧降下剤としての医薬品です。この薬の副作用として壮年性の脱毛に対して発毛効果があるということで、製薬会社が発毛剤として発売しているものです。
リアップ・リアップレディの商品名で大正製薬が販売しています。
壮年性脱毛症は、男性だけでなく女性もなる一般的な遺伝性の薄毛または抜け毛で何年もかかって薄くなります。大正製薬によりますと、使用上の注意として守らないと現在より悪化したり、副作用が起こる可能性があるとして
①次の人は使用しないで下さい
①未成年者②妊婦または妊娠していると思われる人、ならびに授乳中の人③妊娠、出産に伴い脱毛している人④避妊用ピルの使用をやめた事により脱毛している人⑤壮年性脱毛症以外の脱毛症（例えば、甲状腺疾患、急激なダイエット、円形脱毛症等）⑥頭頂部だけでなく側頭部や後頭部も含めた頭部全体が脱毛している人⑦脱毛が急激であったり、髪が斑状に抜けている人⑧頭皮から強く引っ張るような髪型によって脱毛している人⑨リアップは男性のみ、リアップレディは女性のみ
②次の部位には使用しないこと
①本剤は頭皮にのみ使用し、内服しない事（血圧が下がる等の恐れがあります）②キズ、湿疹あるいは炎症（発赤）等がある頭皮（キズ等を悪化させる事があります。
③本剤を使用する場合は、他の育毛剤及び外用剤（軟膏、液剤等）の頭皮への使用はさけて下さい
①次の人は使用前に医師または薬剤師に相談して下さい。②家族、兄弟姉妹に壮年性脱毛症がいない人③今までに薬や化粧品によるアレルギー症状（例えば、発赤、発疹、カユミ、カブレ等を起こした事がある人）④高血圧の人、低血圧の人⑤心臓または腎臓に障害のある人⑥甲状腺機能障害⑦むくみのある人
このようにミノキシジル配合の発毛剤は壮年性脱毛症の初期の人に効果が期待できるものの、とても副作用の恐いものであると思われます。使用法が難しいのです。
